移住者・定住者インタビュー

豊かな自然と人の温かさがあり、
自分らしく居られる場所

小池 陽子さん

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 某大手フィットネスクラブで10年勤めた後、フリーインストラクターをしながら生活していた小池さん。大好きなハワイに似た人の温かさや豊かな森がある智頭町に惹かれて4年前に移住し、念願の自分のスタジオを作った。「自分がやりたいことをやれ、自分らしく居られる町」で、人のつながりを感じながら夢をどんどん形にしている。

Profile

小池 陽子(こいけ ようこ)さん

1982年、兵庫県尼崎市生まれ。某大手フィットネスクラブで社員、フリーインストラクターを経験し、2016年5月から智頭町に移住。地域おこし協力隊を3年間務め、2020年2月からヨガレッスン、パーソナルトレーニング、リトリートなど、心と体をメンテナンスする「森のガレージ キノビ」を立ち上げる。

自分らしく居られる場所を求めて

──いつも快活な笑顔を見せる小池さん。そんな彼女の明るさからは想像できないほど、自分の生き方について悩んだ時期があったと言います。ヨガやハワイと出会い、自分らしくいられることを求め、たどり着いたのが智頭町だったそうです。

小池さん:

 20代の頃に関西のフィットネスクラブで働いていて、社会貢献活動で親子で自然体験をするツアーで訪れたのが智頭町との出会いでした。その時におにぎりを食べて「こんなに美味しいおにぎりがあるのか」と本当に感動して。食べ物の美味しさや自然の豊かさ、人の温かさを感じ、智頭に行くことが毎年の楽しみになっていました。

 転機になったのは30代前半の頃。プライベートや仕事、いろんなことが重なってストレスで体を壊したんです。そんな時に前から好きだったハワイで森暮らしを経験。厳しい家庭環境で育ったせいかありのままの自分を出すことが苦手で、そのことも自分を苦しめていたんですけど、ハワイはありのままの自分を受け入れてくれる感覚になれました。豊かな森があり、昔の文化が今も根付いていて、そこに住む人々はすごくおおらかで温かく、しっかりと自分を持って今を生きていました。

 そんなハワイに惹かれていた頃、智頭町の知り合いから「ハワイの森に住めるなら智頭の森に来ないか?」と誘われました。ちょうどハワイで感じ、学んだことを日本でできないだろうかと思っていたタイミングでもありました。森で過ごし、海に遊びに行くハワイと同じ暮らしができるかも?また人の雰囲気がハワイに似ているなぁと感じていたので、やるならここだと思い切って移住しました。

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人の良さに惹かれ、町に残ろうと決意

──ヨガを軸に、自分がやりたいことをしようと息巻いて移住したものの、現実はちょっと違ったそう。「こんなはずじゃなかったと思いましたもん」と今は笑い飛ばすが、苦労もあったが町に残ることを選んだのには、周りの人たちの存在が大きかったと言います。

小池さん:

 最初3年間は地域おこし協力隊として観光協会で働きましたが、都会の感覚で働いて空回りしていたところもあったかもしれません(笑)。やりたいことをやるはずで智頭に来たのにそれもできなくて、辞めようと思えば辞めることもできたし、実際、海外で働かないかという話もありました。でも、ここで辞めたらせっかく覚悟を決めて来た智頭に住めなくなると思ったのと、この町の人が本当に良い人だったからですね。

 ここは、その時その時を楽しもうとする人が多いし、自分のやれることで助け合って生きているところもハワイに似ています。多様な生き方に理解があり、私のハワイの話にしても否定せず「やりたいことやったらええんちゃうん?」という感じ。私はずっと人に迷惑かけてこないようにするのが染み付いているんですけど、「何か困ったら言いなさいん」と言ってくれ、一歩踏み出せばすっと受け入れてくれます。

 一番びっくりしたのが移住して最初の夏。スーパーでトマトを買おうとしたら隣のおばちゃんに「あんた、トマトなんか買うの?」と言われ、食べ物まで口を出されるのかと思っていたんです。そうしたら、次の日の朝、玄関先にトマトやキュウリの夏野菜が袋いっぱいにどっさりと置いてあって。周りの人に話したら、その人が良かれと持ってきたんじゃない?と聞いて、本当に驚かされました。今も野菜をもらったり、逆に芋掘りを手伝いに行ったり、そんな風に日常から人のつながりを感じています。

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子どもも大人も生き生きとするように

──地域おこし協力隊を卒業後、古民家を改装して自分の拠点となるスタジオを作られました。目指すのは、誰もが生き生きするような場所作り。とにかくやりたいことがどんどん湧き出てくると、小池さんは満面の笑みで語ってくれました。

小池さん:

 地域おこし協力隊の任期を終え、物件を探していたところに今の場所と巡り会えました。お金もなかったし、DIYの知識もなかったですが、できることは自分でやろうと思って動き始めました。わからないことは人に聞く。智頭に来てそういうことの大切さを知ったので、声をかけたら本当にたくさんの人が手伝ってくれて…。オープンイベントには50人以上の人が集まってくれました。子どもが自分で考えた店を出し、「俺が餃子を焼いてやる」とか「シチューを持って行くわ」と大人も得意なことを持ち寄って、みんなで楽しい空間を作った感じだったんです。その光景を見たときは嬉しかったですね。

 森のガレージ「キノビ(kinobi)」は、ハワイの言葉で「体、自己」を表す「kino」に、伸び伸びするという意味を合わせた名前です。スタジオってつけると来て教えてもらう受け身のイメージなんですけど、自分でインプットとアウトプットしたり、自分を整えたり、それぞれのしたいことを表現していけるような場所にしたくてガレージという表現にしました。私自身、森の中にウッドデッキ作ってヨガやりたいなぁとか、まだまだやりたいことがありすぎてもう何屋かわからないくらい(笑)。ここでは肩書きや名誉はどうでもいいし、小池陽子としていることを大事にしていきたいです。大好きな智頭をもっと知ってもらい、ここで誰かの役に立っていけたらと思っています。

──取材後、玄関先の路地で小池さんに挨拶をして別れようとしていると、お隣の住んでいる大家さんと遭遇。「ちょっとこれ、食べんさい」と私たち取材陣にもみかんをいただき、小池さんがどう地域の人に馴染んでいるのかわかったような気が。「小池さんは移住者じゃないからと言われるんですよ」。その話をした時の嬉しそうな顔が印象的でした。

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