更新日: 2021年01月25日
地域医療と国立病院の充実を求める意見書
地域医療と国立病院の充実を求める意見書
地域医療と国立病院の充実を求める意見書
医師・看護師不足や公的病院の縮小・閉鎖によって、救急患者の受け入れ先がないなど、地域医療が崩壊しかねない事態が全国で生じている。
国立病院は、がん・循環器などの高度医療や研究とともに、重症心身障害、筋ジストロフィー、結核・感染症、精神医療、災害医療、へき地医療など、民間では困難な分野を担い、地域医療においても重要な役割を果たしている。
しかし、政府は、「独立行政法人の原則廃止」を掲げ、平成22年4月に行われた「事業仕分け」では、国立病院に対して「非効率」病床の削減など更なる「経営合理化」を求める意見が出され、「事業規模の縮小、他の公的病院も含めた再編成の検討など」のとりまとめがされた。
また、「公務員人件費削減」や「効率化」の名の下に、国立病院に対しても、人件費や運営費交付金の一律削減が押し付けられ、病院経営にも支障をきたしている。
国民の立場で無駄使いを是正することは必要であるが、いのちや暮らしにかかわる公共部門を乱暴に切り捨てることは許されない。
日本の医師・看護師は、欧米諸国に比べ数分の1と少なく、医療の複雑・高度化に追いつかない人員体制で、医師や看護師の過労死さえ起きている。国立病院では、人工呼吸器をつけた手厚い看護が必要な患者が多数入院されているが、夜間はわずか看護師2人で約50人の患者の看護にあたる病棟も少なくない。医療崩壊をくい止め、安全・安心の医療・看護の実現のために、医師・看護師はじめ医療従事者の増員がどうしても必要である。
いつでも・どこでも・だれでも、安心して医療を受けることができる体制づくりは住民の願いである。地域医療と国立病院の充実を図るために、以下の項目について要望する。
記
1.国立病院を縮小・廃止、民営化することなく、充実強化を図ること。
2.国立病院を運営費交付金の一律削減の対象から除外し、必要な予算を確保すること。
3.国立病院を総人件費一律削減の対象から除外し、医師・看護師をはじめ必要人員を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月22日
鳥取県八頭郡智頭町議会 議長 西 川 憲 雄
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
総務大臣 様
財務大臣 様
厚生労働大臣 様